40歳で初めて株を買った話|桐谷さんに憧れて・失敗して、自分の基準ができるまで

テレビで見た桐谷さんがきっかけで40歳から優待株投資をスタート。失敗を重ねながら判断基準が育っていき、高配当株投資との2本立てに落ち着くまでを正直に振り返ります。


1. 40歳で「このままではいけない」と思った

40歳を目前にして、漠然とした焦りがありました。

貯金はしている。でも貯金だけで本当にいいのか。何か始めなければ、という感覚がじわじわと強くなっていた時期です。

そんなときにテレビで見たのが桐谷さんでした。「月曜から夜ふかし」の特集で、株主優待だけで生活しながら自転車で颯爽と移動する姿が映し出されていました。

難しい話は何もなかった。ただ「株を持っているとこういう楽しみ方があるのか」と素直に面白いと感じた。焦りと楽しそうという気持ちが重なって、「まず試しに少し買ってみよう」と思い立ちました。それが私の個別株投資の出発点です。

⚠️ この記事は私個人の体験・考え方の共有です。特定の投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。


2. 最初に買ったのはオリックスだった

証券口座を開いて、最初に買ったのは(8591)オリックスの株でした。

当時のオリックスは充実した株主優待で知られていて、「優待投資の入門銘柄」としてよく名前が挙がっていました。雑誌で桐谷さんや他の投資家の運用スタイルや具体的な銘柄を読み漁り、その中でオリックスを選びました。

初めて優待の案内が届いたときは、素直に嬉しかった。数字の変化ではなく手元に「何かが届く」という体験は、投資信託の評価額が動くのとはまったく異なる手触りがありました。

ただ、オリックスの株主優待はその後廃止されました。

優待廃止と聞くとマイナスに聞こえますが、実態は少し違います。オリックスは優待廃止後に配当金を増やしており、購入時の株価で計算すると配当利回りは5%を超えています。優待廃止が必ずしも損失を意味するわけではない——これが最初の銘柄で得た最初の気づきでした。


3. 自分なりの基準をつくっていった

雑誌で勉強しながら銘柄を増やしていく中で、経理マンとして「感覚だけで動くのは性に合わない」という気持ちがありました。桐谷さんや他の投資家の基準を参考にしながら、自分の判断軸を少しずつ整えていきました。

① 総合利回り4%超え

配当利回りと優待利回りを合算した総合利回りが4%を超えているかを基本の目安にしました。数字で判断できる軸を持つことで、「なんとなく良さそう」で買う感覚的な選択を避けられます。

② 自分が実際に使う優待かどうか

利回りがどれだけ良くても、使わない優待では生活に還元されません。これは数字では測れない基準ですが、優待株を選ぶ上で実は一番大事な判断軸だと今も思っています。


4. 失敗から学んだこと

基準を持っていても、失敗はします。4つ正直に振り返ります。

「使わない優待」に気づかなかったケース:レック(7874)

100円均一のダイソー商品などがもらえる優待でしたが、実際に使ってみると全部の商品を使うわけではなかった。「もらえる」と「使える」は違う、ということを実感して売却しました。購入前に「自分が実際に使う優待かどうか」を確認する重要性を改めて意識するきっかけになった銘柄です。

「優待の内容が変わった」ケース:クラダシ(5884)

購入当初は優待券のみで買い物ができていたのが、途中から割引券に変わり自分の持ち出しが発生するようになりました。優待の内容は企業の判断でいつでも変わりうる。「今の優待内容」だけを見て買うリスクをここで学びました。

「外部環境リスク」を甘く見ていたケース:日本製紙(3863)

購入時は高配当株で優待もあった銘柄でしたが、ウクライナ戦争による原材料費の高騰が業績を直撃し、無配転落の発表がありました。このときは発表のタイミングですぐに売却しました。個別企業の財務をどれだけ丁寧に見ていても、地政学リスクや原材料価格といったマクロの外部環境は完全にコントロールできない。最初に経験した「想定外の失敗」でしたが、損切りの判断は比較的早くできた事例です。

一番の失敗:アドバンスクリエイト(8798)

会計処理の問題による業績悪化で株価が下落し始めていたにもかかわらず、なかなか売る決断ができませんでした。理由は2つです。当時優待がまだ続いていたこと、そして大手保険会社が株主に名を連ねていたことで、どこかで「これだけは大丈夫だろう」という安心感を持っていたことです。

昨年、保険会社からの資金注入もありましたが、状況はすっきりしない。もやもやしながら持ち続けることに限界を感じて、ようやく売却を決断しました。結果的に損失額は膨らんでいました。

「大手が株主だから」「優待があるから」。どちらも売却を先延ばしにする理由にはなりません。企業の本質的な健全性から目を逸らしていた、というのが正直なところです。

⚠️なお、ここで挙げた銘柄はあくまで私の生活スタイルや判断基準では合わなかったというだけで、人によっては優待内容が生活にぴったり合っていたり、保有タイミングによっては十分なメリットがある場合もあります。投資判断は自分の状況に合わせて考えてみてください。


5. 判断基準が育っていった

失敗を重ねながら、選定基準は少しずつ深化していきました。

両学長リベラルアーツ大学で高配当株投資を体系的に学んだことで、利回りだけでなく自己資本比率・配当性向・PBR・PERといった財務的な視点も加わっていきました。

経理の仕事で財務諸表を日常的に見ている身としては、これらの指標は腑に落ちるものがありました。基準がひとつ増えるたびに、投資の解像度が上がっていく感覚がありましたね。

お金の大学では優待株投資はあまり推奨されていません。分散投資の観点・優待廃止リスクがある、といった理由からです。アドバンスクリエイトやクラダシの経験を振り返ると、この考えは正しかったと思います。失敗を通じて、学んだことの意味を後から実感した形です。


6. 今の運用スタイルと課題

こうした経緯を経て、今は優待株と高配当株の2本立てで運用しています。全体としては評価額・配当金ともに増えており、失敗があったからこそ基準が育ったと感じています。

今後のスタンスとしては、新たに優待株を積極的に買い増すことは考えていません。すでに保有している銘柄については優待株も含め、業績の悪化・減配・財務の悪化といった学んできた基準に照らしながら、自分の判断で長期保有するかを決めていく方針です。

残っている課題は、ディフェンシブ銘柄の割合がまだ少ない点です。少しずつ積み上げながら、自分のポートフォリオを育てていくつもりです。

40歳の焦りと「なんか楽しそう」から始めた投資が、失敗と学びを重ねながら少しずつ自分の形になってきています。


まとめ

  • 40歳の焦り+桐谷さんのテレビ特集がきっかけでスタート
  • 最初の銘柄オリックスは優待廃止後も配当が増え、購入時利回り5%超に
  • 総合利回り4%超え・自分が使う優待かどうかが基本の選定基準
  • 失敗を重ねながら自己資本比率・配当性向・PBR・PERへと基準が深化
  • お金の大学で優待株は非推奨と学んだことを失敗で身をもって実感
  • 今後は優待株を重視せず、基本的に長期保有して育てる
  • ディフェンシブ銘柄の比率を上げることが今後の課題

振り返ってみると、失敗のない投資家なんていないんだと思います。大事なのは失敗をそのままにせず、次の基準に変えていくこと。40歳で「なんか楽しそう」から始めた投資が、少しずつ自分のものになってきている実感があります。失敗も含めて全部が自分の判断基準になっていく。そういう積み重ねが、投資を長く続ける力になると思いますね。


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