1. はじめに:40代からの「スマートな確定申告」のススメ
今年も確定申告の季節がやってきました。
商社の経理部門で10年以上、通算20年以上数字と向き合ってきた私ですが、自分の確定申告となると「後回しにしたい……」というのが本音でした。
しかし、40代になり一人暮らしを始め、趣味の時間も大切にしたい今、事務作業はいかに「スマートに」終わらせるかが重要。今回は、実務経験はあるものの、クラウド会計ソフトについては「絶賛勉強中」の私が、実際に導入して感じたリアルな視点をお届けします。
2. 実体験:Excelから「あえて」クラウド会計ソフトへ切り替えた道のり
私は不動産投資を行っていますが、これまでの歩みは以下の通りです。
- 当初: Excelで自作管理(簿記の知識があるのでこれで十分でした)、e-taxに直接入力
- 2024年: 会計ソフト導入して白色申告(青色申告承認申請のタイミングの関係で白色に)
- 2025年: 青色申告へ変更!
正直なところ、白色申告なら「ずっと無料」のソフト(弥生など)やExcelで済ませるのも一つの手です。しかし、私はあえて最初から有料のマネーフォワードを導入しました。
経理マンとして、なぜ「白色でも有料ソフト」にこだわったのか。その3つの理由を補足としてまとめました。
2014年から白色申告でも「記帳と帳簿保存」が義務化されています。
- メリット: 有料ソフトを使えば、2024年に義務化された電子帳簿保存法にも自動で対応できます。Excel管理だと、領収書の保存要件などを自分で管理する手間(リスク)がありますが、ソフトなら「そこに置いておくだけ」で法的要件を満たせます。
- 経理マンの視点: 万が一の税務調査の際、ソフトで整えられた帳簿があるだけで、税務署からの信頼度が格段に変わります(推計課税のリスクを減らせます)。
私のように本業(会社員)があり、かつ副業(不動産)もしている場合、最大の資産は「時間」です。
- メリット: 銀行口座やクレジットカードとの連携で、仕訳がほぼ自動で終わります。
- 経理マンの視点: 「自分で仕訳が切れる(知識がある)」からこそ、その単純作業を機械に任せることの価値を感じています。空いた時間をブログ執筆や投資戦略の検討に充てられるのは大きなメリットです。
今回の自分のケースのように、2024年(白色)から2025年(青色)へ切り替える場合。
- メリット: 同じソフトを使っていれば、データがそのまま引き継げます。
- 経理マンの視点: 白色申告のうちにソフトの操作に慣れておけば、青色申告(複式簿記)になった際に戸惑うことがありません。「10万円控除」を確実に手にするための準備運動として最適です。
3. 比較検討:私がマネーフォワードを「相棒」に選んだ3つの基準
実は導入にあたって、業界大手の「弥生会計」「freee」「マネーフォワード」の3社をじっくり比較しました。経理マンとして、最終的にMFに決めた理由は以下の3点です。
- 白色・青色でソフト(プラン)の区別がない
弥生は白色と青色でソフトや料金体系が分かれていますが、MFは共通です。「まずは白色で始め、翌年から青色へ」と考えていた私にとって、方式によってプランやソフトを乗り換える手間(学習コスト)は無駄だと考えました。最初から区別のないMFは、将来の青色移行に最もノイズがありませんでした。 - 「会計の王道」を行くUI設計
独自ルールが多いソフトは、簿記の知識がある人間にはかえって使いにくいものです。MFは借方・貸方の概念が自然に組み込まれた王道の設計。仕事で培ったスキルをそのまま横展開できるのが最大の時短になります。 - 「ミニプラン」で必要十分なコストパフォーマンス
不動産所得のみで仕訳数が少ない私にとって、上位プランの機能は過剰です。MFの「ミニプラン」は、必要な機能が揃っていながらコストを抑えられるため、非常に合理的な選択だと感じました。
一応選択しなかった、2社について「設計思想」がソフトによって違うことに驚きました。
例えば弥生にはかんたん取引入力というものはありますが、以前の会社で使っていた「商奉行」という会計専用ソフトに近い感覚(freeeや後述のタックスナップより簡単という感じがしない)です、freeeは簿記の知識がある身として画面に違和感を感じたため見送りました。
「事業用口座」を分けるのが、自動化の鉄則!
会計ソフトの「自動連携」を100%活かすために欠かせないのが、「プライベートと事業用(不動産用)の口座を完全に分けること」です。
口座が混ざっていると、ソフト上で「これは生活費」「これは不動産の経費」といちいち手動で仕分ける手間が発生し、せっかくの自動化が台なしになってしまいます。
「最初から分かれている明細を、ソフトに読み込ませるだけ」の状態を作っておくこと。これが、経理マンが実践する最も効率的な仕組み化のコツです。
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4. 経理マンの結論:「手間が同じなら、青色一択」の理由
マネーフォワード確定申告は移行がスムーズだと考えての導入でしたが、実際白色申告も青色申告も「やるべきこと(日々の入力)」は全く一緒だという点です!
銀行口座からデータを取り込み、内容を確認して登録する。この一連の動作に、申告方式による差はありません。マネーフォワードのように白色・青色で費用が変わらないソフトなら、なおさらです。
- 白色申告: 手間はかかるが、税制上の優遇(控除)はほぼない。
- 青色申告: 手間は白色と同じなのに、10万円(※)の控除が受けられる。 (※不動産所得が事業的規模でない場合)
「同じ労力で、結果(手残り)が変わるなら、青色を選ばない理由がない」 これが、長年数字を扱ってきた私の結論です。だからこそ、ID連携で家計管理(ME)と並行して資産状況を確認しやすいマネーフォワードを、今後の「相棒」に決めました。
5. 【比較表】自分に合うのはどれ?主要確定申告ソフト4選の選び方
私がリサーチした主要4ソフト(去年検討の3社に最近流行りのタックスナップを加えた)の比較をまとめました。
| ソフト名 | 推奨ユーザー | 特徴・メリット | 備考 | 費用感 |
|---|---|---|---|---|
| マネーフォワード確定申告 | 経理・簿記経験者 | 会計の基本に忠実な設計。 白・青の切り替え時にソフト変更が不要。 | 私はこれ。ミニプランで十分。 | 白色・青色共通 |
| 弥生シリーズ | 伝統重視・簿記経験者 | 税務署の指導でも推奨されることが多い。 | 白色と青色でソフトが分かれています。 | 白色は永年無料 |
| freee(フリー) | 簿記が苦手な方 | 独自UIで直感操作。最新の生成AI相談サービスが魅力。 | 経理経験者は逆に戸惑うかも。 | 共通(有料) |
| タックスナップ | スマホ完結・副業家 | スワイプ操作で仕訳が可能。スマホ特化。 | 山田真哉先生も推奨。 | 共通(有料) |
※請求書発行や消費税申告、タックスナップの丸投げ仕訳などの付随機能が必要な場合は、各社ミドルクラス以上のプランが必要になることが多いです。私のように「不動産所得のみで、月の仕訳も10件未満」という方なら、マネーフォワードのミニプランのような低コストな選択肢で必要十分だと思います。
5. コラム:会計の楽しさを教えてくれた「女子大生会計士の事件簿」
私が経理の世界により深く興味を持つきっかけになったのが、公認会計士・山田真哉先生の著書『女子大生会計士の事件簿』です。(昔ドラマにもなりました)
当時はすでに簿記2級を持っていましたが、社会人になりたてで、日々の経理業務は淡々としたものだという認識でした。以前の会社は上場企業で会計監査もあり、この本を通じて会計士も「数字の裏にあるストーリー」を読み解く知識と経験が必要なんだと知りました。監査される側でしたが相手側の視点がのぞき見える感じでちょっとワクワクしましたね。小説としては薄いので文章が苦手な人でも読みやすくおススメです。
他にも著書で「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」がビジネス書として知っている人がいるかもしれませんが、書評の記事ではないのでここでは割愛します。
現在、山田先生のYouTubeチャンネル(オタク会計士ch)も拝見していますが、最新の「タックスナップ」のようなサービスの紹介もあり、今でも勉強させていただいています。
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女子大生会計士の事件簿 DX.1/山田真哉6. まとめ:自分の「知識量」と「仕訳数」に合わせた最適解を
私自身はマネーフォワードを導入してまだ1年ほどですが、「簿記の知識を活かしつつ、ルーチン作業を自動化する」という目的には最適だと感じています。
- 簿記の知識があり、将来の青色移行も見据える: マネーフォワード
- 白色申告のまま、コストをかけずに管理したい: 弥生(白色無料プラン)
- 簿記の知識に不安があり、最新AIのサポートで直感的に進めたい: freee(フリー)
- とにかく簡単に、スマホだけで終わらせたい: タックスナップ
このように、自分の状況に合わせて選ぶのが一番です。
確定申告を「苦行」ではなく、一年の資産状況を振り返る「前向きな時間」に変えていきましょう。
(2026年2月23日現在の情報に基づき執筆)
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