秋に届く封筒と、春に届く封筒。どちらも中身は「株主優待券」で、期限はどちらも半年後です。ビックカメラとコジマ、2社の優待券をこの4年ほど回してみて分かったことを書きます。
先に結論を3つ書きます。
- 年間の受け取り額は2社合計で11,000円分です。ただし一度に手元にあるわけではなく、11月末が期限の分が4,000円、5月末が期限の分が7,000円と、半年ごとに分かれて届きます
- 2社の有効期限は、月日までぴったり一致します。枚数で管理する必要はなく、「11月末までの分」「5月末までの分」という2つの締切だけ意識すればいい、というのが実際に使ってみての整理です
- 使い切れない原因の多くは、優待券を還元率の高い商品に使ってしまうことにあります。還元率の低い商品(家電でも消耗品でも)にぶつけたほうが、優待券の価値は活きます
家電量販店というと「たまに大きな買い物をする店」というイメージがあるかもしれませんが、優待券を持っていると付き合い方が変わります。実際に何にいくら使ったかまで、自分の数字で書いていきます。
1. ビックカメラとコジマの株主優待は、年間いくらもらえる?

私は2022年3月に個別株を買い始めた時期に、ビックカメラを購入しました。その3か月後にコジマも購入しています。(当時のいきさつはこちらの記事に書いています)。どちらも100株、特定口座です(新NISAが始まる前の購入なので、非課税枠は使っていません)。取得から4年以上が経っているので、長期保有の加算(2年以上保有の区分)も両社ともに満額付いています。
下の表は、2026年9月16日終値(ビックカメラ1,756円/コジマ1,445円)で計算したものです。
| 保有株数 | 投資額(2026年9月16日終値) | 年間優待券(2年以上保有) | 年間配当(会社予想) | |
|---|---|---|---|---|
| ビックカメラ(3048) | 100株 | 175,600円 | 5,000円分 | 4,300円 |
| コジマ(7513) | 100株 | 144,500円 | 6,000円分 | 2,800円 |
| 合計 | 200株 | 320,100円 | 11,000円分 | 7,100円 |
利回りを分けて出すと、優待利回りが約3.4%、配当利回りが約2.2%、合わせた総合利回りが約5.7%です(2026年9月16日終値をもとにした試算です。それぞれ小数点以下を丸めているため、優待利回りと配当利回りを単純に足した数字とは若干のズレがあります)。優待と配当は換金のしやすさが違うので単純に同じものとしては見ていませんが、雑誌などの優待株特集にならって、参考値として3つとも並べておきます。
正直に言うと、この2社を100株ずつ買った理由は「優待利回りが高いから」ではなく、「家電量販店は自分が確実に使う店だから」でした。優待は使い切れて初めて利回りが実現するので、使い切れなければこの5.7%も絵に描いた餅になります。この記事の本題は、ここから先の「使い方」にあります。
2. 優待券はいつ届いて、いつまでに使う?
優待券は年2回、2社×2回で計4回届きます。ここまでは公式サイトを確認すればわかる話ですが、両社の記載を並べて突き合わせてみて分かる事があります。
| 基準日 | ビックカメラの発送 | コジマの発送 | 有効期限(2社共通) |
|---|---|---|---|
| 2月末日 | 5月 | 5月下旬頃 | 11月末日まで |
| 8月末日 | 11月 | 11月下旬頃 | 翌年の5月末日まで |
ビックカメラとコジマ、発送月がどちらも5月・11月でそろっていて、有効期限の月日も2社ともまったく同じです。届くタイミングも締切も、2社でほぼ重なります。
これはコジマはビックカメラの子会社(議決権50.5%)なので、発送時期も期限もほぼ揃っていて、まとめて管理しやすくなっています。手元にある券は「11月末までに使う4,000円分」と「5月末までに使う7,000円分」の2つの塊で考えればいいということです。
3. ビックカメラの優待券はコジマの店舗で使える?

公式サイトの記載によると、実店舗同士なら相互利用ができるようです。ビックカメラの優待券はコジマの店舗で、コジマの優待券はビックカメラ・ソフマップの店舗で使える、とされています。
さらに補足すると、優待券だけでなく、ビックポイント・コジマポイント・ソフマップポイントの3つは1ポイント=1ポイントで等価交換できる仕組みもあります。優待券の相互利用とは別の制度ですが、グループ内でどちらの資産も融通できる作りになっています。
[sng_box title=”ビックカメラグループの相互利用・ポイント交換(公式サイト記載ベース)”]- 優待券(実店舗):ビックカメラ・コジマ・ソフマップの間で相互利用OK
- 優待券(ネット通販):各社の通販サイトでは自社の優待券のみ使用可(ビックカメラ.comではコジマの優待券は使えない、と明記あり)
- ポイント:ビックポイント・コジマポイント・ソフマップポイントは1対1の等価で相互交換可能
[/sng_box]
以前はコジマの店舗も利用していましたが、ここ5年以上は使っていません。ソフマップも以前はビックカメラと並行して利用していましたが、2024年にクレジットカードを整理した際にソフマップのクレジットカードを解約し、ビックSuicaカードへ一本化しました。ポイントは毎月の買い物で必ず使う仕組みにしているので、失効することはありません(このあたりの考え方はポイント失効の記事に書いた通りです)。
つまり、コジマやソフマップで使わないのは「使えないから」ではなく、「使わないと決めているから」です。優待券やポイントの受け皿を分散させるより、1か所に集約したほうが管理コストが下がる、という判断をビックカメラに対して一貫させています。
ではなぜ、ビックカメラ1社に集中せず、コジマの株もあえて持っているのか。理由は単純で、コジマの優待券もビックカメラの店舗で使えるからです。ビックカメラを200株に増やしても、株数の区分(100〜499株)は変わらないので、受取額は100株のときと同じ年5,000円のままです(区分と金額は第7章の表の通りです)。一方、余った100株分でコジマを買えば、その年6,000円分の優待券がまるごとビックカメラの店舗で使える優待に上乗せされます。ビックカメラ1社に集中するより、この2社構成のほうがビックカメラで使える優待額の合計は多くなります。2社を100株ずつ持っている理由は、ここにあります。
4. 優待券を使い切れない原因は?
優待券を余らせがちな方の多くは、「せっかくだから欲しかった家電に使おう」と考えるのではないでしょうか。ただ、これは順番としては逆かもしれません。
ポイント還元率の高い商品(本体価格が安いスマホ関連品など)は、放っておいてもポイントで実質値引きされます。一方、替えブラシや消耗品のように還元率が低めに設定されている商品は、ポイントで取り返すのが難しいものです。優待券は額面がそのまま値引きとして効くので、還元率が低い商品ほど優待券をぶつける価値が高くなります。
この考え方は、以前電動歯ブラシの替えブラシ代を検証した記事で書いた話と同じです。
優先順位を整理すると、こうなります。
1. 最優先:ポイント還元率の低い商品の購入に充てる(家電・消耗品を問いません)
2. 期限が迫っているのに該当する商品がない場合:消耗品や食品の購入に充てて、失効させない
1番目が見つからないときの安全弁として「消耗品・食品に使う」のがおススメです。買うものが決まっていないなら期限が切れる前にすぐに使ってしまうのが結局損しない使い方かもしれません、次の章で実際の利用例を解説します。
5. 実際に何に使った?母へのプレゼントに使った額は?

一番大きな買い物は、母へのプレゼントとして買った家電(ビストロ)でした。実はこの商品、購入時のポイント還元が0%でした。前章の最優先ルール「還元率の低い商品に優待券をぶつける」に照らせば、還元率0%はその最たる例です。ポイントでは一切取り返せない買い物だからこそ、優待券を充てる価値がありました。店舗で購入し、内訳は以下の通りです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 本体価格 | 76,230円 |
| 株主優待券の充当 | 4,000円 |
| ポイントの充当 | 18,230円 |
| 手出し(現金・カード決済) | 54,000円 |

レシート上は「販売価格76,230円-ポイント値引18,230円=お支払い58,000円」と表示され、発生ポイントは0でした。優待券の利用は購入履歴の表示に出ないため、そこからさらに4,000円分を差し引いた54,000円が実際の支払い額です。
期限が来る前に届いた優待券と、普段の買い物で貯めていたポイントを組み合わせることで、手出しを本体価格の7割程度まで抑えられました。
優待券の使い道は、この手の大きな買い物だけではありません。実際は電池やお酒、日用品への充当がほとんどです。家電量販店というと「家電を買う場所」というイメージが強いですが、実際には日用品や食品も扱っている店舗が多くあります。欲しい家電がその時になくても、電池や消耗品、日用品に充当すれば無駄になりません。これが4年間使ってみての実感です。
6. 優待券の期限管理はどうすればいい?

期限管理の方法をご紹介したいところですが、正直に書きます。私はGoogleカレンダーなどで優待券の期限を管理していません。 都内の会社への通勤圏内にビックカメラの店舗があるため、優待券を使うためだけに外出する必要がなく、普段の買い物のついでに使い切れてしまうからです。
これは「管理しなくていい」という結論ではなく、「自分の生活動線に店舗が入っているかどうか」で必要性が変わる、という話だと思います。もし最寄りにビックカメラ・コジマ・ソフマップのいずれもなく、優待券を使うために意識的に予定を立てる必要がある方なら、届いた時点で次の2つを予定表に入力しておけば十分なはずです。締切が近づいてから入力しようとすると、そのタイミング自体を忘れがちだからです。
- 5月に優待券が届いたら:その時点で「11月末までに使う」という期限を予定表に登録する
- 11月に優待券が届いたら:その時点で「翌5月末までに使う」という期限を予定表に登録する
年2回の締切さえ押さえておけば、優待券の枚数管理そのものは不要になるはずです。
なお、実店舗でまとめて使い切ろうとすると、1回の買い物では消化しきれないこともあります。その場合は、各社の通販サイト(ビックカメラ.com/コジマネット)でも自社の優待券をそのまま使えるので、店舗で余った分はネットでの日用品・消耗品の購入に回す、という併用がおすすめです(他社の優待券は通販では使えない点は第3章の通りです)。
7. 株主優待にリスクはない?
優待目当てで個別株を持つ以上、リスクは3つあります。
1. 株価下落リスク:優待利回りが高くても、株価が下がれば含み損になります。優待は「配当・値上がり益に上乗せされるおまけ」であって、株式投資そのもののリスクを打ち消すものではありません
2. 優待の改定・廃止リスク:実際、コジマは2026年7月に優待制度を拡充しています。制度は変わりうるものだと理解しておく必要があります
3. 失効リスク:この記事のテーマそのものです。半年という期限を意識しないと、使わないまま権利が消えます
優待の「仕組み」自体が改悪されることもあります。以前、ヤマダ電機の株主優待も保有していましたが、こちらは売却しました。ヤマダ電機の優待券は「税込1,000円以上の購入ごとに500円券1枚」という条件付きで、ビックカメラ・コジマのように保有分をそのまま値引きに充てられる券ではありません。使える金額が購入額の半分までに事実上制限される仕組みで、実質的には割引券に近い感覚でした。私の使い方には合わなかったので、手放しています。
この2社は、あくまで「優待株投資」として100株ずつ買ったものです。株数を増やせば優待の内容自体は次の区分に上がりますが、増やした分に見合うほど優待額が増えるわけではありません。2年以上保有した場合の年間受け取り額(優待券)を、区分ごとに並べてみます。
| 保有株数 | ビックカメラ 年間受取額 | 100株あたり換算 | コジマ 年間受取額 | 100株あたり換算 |
|---|---|---|---|---|
| 100株 | 5,000円 | 5,000円 | 6,000円 | 6,000円 |
| 500株 | 7,000円 | 1,400円 | 10,000円 | 2,000円 |
| 1,000株 | 12,000円 | 1,200円 | 14,000円 | 1,400円 |
100株から500株に増やしても、ビックカメラの受取額は5,000円から7,000円にしか増えません。100株あたりの換算では5,000円から1,400円まで下がります。長期保有加算が株数に関わらず定額(2年以上で+2,000円)である分、株数を増やすほど100株あたりの効率は下がっていく仕組みです。つまり「優待株投資では、使い切れる最小単元で持つのがもっとも効率がよい」ということです。ですので、この2社を買い増す予定はありません。高配当株として買う銘柄であれば、そちらは配当利回りなど別の基準で判断することになります。
まとめ|優待券は「もらう金額」より「使い切る設計」で見る
4年間、ビックカメラとコジマの優待券を回してみて分かったことをまとめます。
- 年間11,000円分の優待券は、一度に届くわけではありません。11月末が期限の4,000円分と、5月末が期限の7,000円分、半年ごとの2つの塊です
- 発送月も有効期限も、2社でほぼ足並みが揃っています。枚数ではなく、この2つの締切だけを意識すればいい
- 優待券もポイントもグループ内で融通できますが、私はビックカメラに集約しています。コジマはここ5年以上、ソフマップも2024年のクレカ整理以降は使わず、ビックSuicaに一本化しています
- 使い切れないときは、還元率の低い商品に優待券をぶつけるのが正解でした。家電でも消耗品でも順位は同じで、該当する商品がなければ電池や日用品に回せば失効を防げます
- 母へのプレゼント購入では、優待券とポイントの併用で手出しを本体価格の7割まで抑えられました
優待利回りだけを見れば約3.4%、配当と合わせても約5.7%と、飛び抜けて高いわけではありません。それでも4年間使い続けてこられたのは、期限と使い道さえ押さえれば、確実に使い切れる仕組みだったからです。
株主優待は「もらえる金額」で語られがちですが、本当に効いてくるのは、届いたあとの半年間をどう過ごすかだと思います。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
よくある質問
Q1. ビックカメラとコジマ、どちらか1社だけ持つのでも意味はありますか?
A. あります。ただし相互利用できるのは実店舗同士なので、コジマの店舗を使わないなら、コジマの優待は「ビックカメラ・ソフマップの店舗で使える追加の券」という位置づけになります。よく行く店舗を軸に選ぶのが基本です。
Q2. 優待券の有効期限を過ぎた場合、延長はできますか?
A. 公式サイトを確認する限り、延長の制度は記載されていません。期限切れ前に使い切ることが前提の制度です。
Q3. ネット通販でも優待券は使えますか?
A. 使えます。ただし各社の通販サイトでは自社の優待券のみが対象で、他社の優待券は使えません(例:ビックカメラ.comではコジマの優待券は不可です)。
Q4. 優待券で家電以外(食品や日用品)は買えますか?
A. 買えます。店舗によって取扱いは異なりますが、家電量販店でも日用品や食品を扱っているケースが多く、欲しい家電がなくても消耗品への充当で無駄なく使い切れます。
Q5. 長期保有の優待加算は、いつの時点の保有状況で判定されますか?
A. 8月末日時点の継続保有状況で判定されます(1年以上・2年以上の2段階)。2月末日基準の優待には長期保有加算はありません。
Q6. ビックカメラ・コジマ以外でも、この考え方は使えますか?
A. お住まいの地域でよく行く家電量販店に、同じような金額固定型の優待券があれば、基本的な考え方は使えます。たとえばケーズデンキ・エディオンにも日用品への充当を含めて使える優待券があります(いずれも公開情報ベースで、私自身の利用実績ではありません)。一方でヤマダ電機のように「購入額の一定割合までしか使えない」条件付きの券もあるので、保有前に利用条件を確認することをおすすめします。
出典
- ビックカメラ 株主優待制度(2026年9月16日確認):https://www.biccamera.co.jp/ir/service/
- コジマ 株主優待制度(2026年9月16日確認):https://www.kojima.net/corporation/ir/welcome.html
- ビックカメラ.com 株主優待券のご利用(2026年9月16日確認):https://www.biccamera.com/bc/c/info/payment/kabu.jsp
- ソフマップ ビックカメラグループのポイント交換(2026年9月16日確認):https://www.sofmap.com/contents/?id=service&sid=pointexchange
- ヤマダホールディングス 株主優待制度(利用条件)(2026年9月16日確認):https://www.yamada-holdings.jp/ir/yutai.html
- Yahoo!ファイナンス(3048)(2026年9月16日終値時点):https://finance.yahoo.co.jp/quote/3048.T
- Yahoo!ファイナンス(7513)(2026年9月16日終値時点):https://finance.yahoo.co.jp/quote/7513.T
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