※本記事は個人の経験・調査をもとにした情報提供を目的としており、医療行為・診断・治療の代替となるものではありません。体調に不安がある方は医師・薬剤師にご相談ください。
– 「カフェインレス」の表示基準は90%以上の除去。ゼロではなく、1杯9mg程度が残る計算になる
– 「ノンカフェイン」は原料の段階でカフェインを含まないもので、別の概念
– インスタントとドリップのカフェイン量はほとんど同じ。選ぶ理由は香りや手間であって、健康面ではない
1. カフェインの量を知ると、「選び方」の話になる
前回の記事では、カフェインの1日の目安が400mgであること、そして「就寝何時間前まで飲んでいいか」は量とセットでしか決まらないことを、公的機関の情報と最新の研究で確認しました。私自身は、平日のペットボトルコーヒー(約200mg)を午前から昼食までに飲み切る形に前倒ししています。
ただ、時間で線を引くと必ずぶつかるのが「では夜はどうするのか」という問題です。そして、そもそも「どのコーヒーを選ぶのか」という話もあります。
この記事では、その2つを扱います。どちらも「カフェイン量で見るとどうなのか」という同じ物差しで測れる話です。
2. デカフェは”ゼロ”ではない——表示基準は「90%以上の除去」

先に私自身の話をしておくと、私はデカフェを飲んだことがありません。前回の記事に書いたとおり、夕食時はお茶、それ以降は炭酸水と決まっていて、夜にコーヒーを飲みたくなること自体がないためです。
ただ、これは私の好みの問題にすぎません。夕方以降もコーヒーを飲みたい日があるという方にとって、「16時以降は飲まない」という線引きは我慢そのものになります。そこで選択肢になるのが、最近よく見かけるようになったデカフェ(カフェインレス)です。飲んだことのない私が勧めるのも妙な話なので、体験談ではなく、調べてわかった事実として整理します。
まず、混同しやすい言葉を整理します。よく見かけるのは「カフェインレス」「デカフェ」「ノンカフェイン」の3つですが、前の2つは同じ意味で、ノンカフェインだけが別物です。
- カフェインレス/デカフェ:もともとカフェインを含むものから、カフェインを取り除いたもの
- ノンカフェイン:麦茶やルイボスティーのように、原料の段階でカフェインを含まないもの
このうち「カフェインレス」には、業界団体が定めた表示のルールがあります。全日本コーヒー公正取引協議会の「レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーの表示に関する公正競争規約」施行規則では、カフェインを90パーセント以上除去したコーヒーについて「カフェインレスコーヒー」「デカフェネィテッドコーヒー」等と表示する、と定められています(2026年7月25日確認)。
ここが見落としやすい点です。基準は「90%以上の除去」であって、ゼロではありません。ドリップコーヒー1杯(150mL・約90mg)を基準にすると、計算上は9mg前後が残ることになります。「カフェインレス」と書いてあるからカフェインゼロだ、と考えるのは正確ではないわけです。
とはいえ、これを不安材料として受け取る必要はないと考えています。9mgは1日の目安400mgの2%強で、緑茶100mL(約20mg)の半分以下。前回の記事で紹介したランダム化試験では、100mgでも就寝4時間前なら有意な影響は確認されませんでした。その10分の1以下である9mgを心配する必要は、まずないでしょう。
医師から制限を指示されているなど特別な事情がある方は別として、夕方以降にコーヒーの味や香りを楽しみたいという目的であれば、実用上は十分な選択肢だと思います。
こうした逃げ道を知っておくと、時間の線引きはむしろ守りやすくなります。やめる以外の選択肢があるだけで、続けやすさは変わるからです。大事なのは「夜に飲むものを一つ決めておく」ことで、それがデカフェでも、私のように炭酸水でも、機能としては同じだと思います。
3. インスタントとドリップ——カフェイン量はほとんど同じでした
もう一つ、コーヒーの選び方の話です。私は一人暮らしを始めてから、自宅ではインスタントコーヒーではなくドリップコーヒーを淹れるようになりました。淹れるのは休日の午後だけです。
正直なところ、私はドリップのほうがカフェインは多いだろうと思っていました。豆から淹れるぶん本格的で、そのぶん濃いはずだ——という漠然としたイメージです。
ところが、調べてみると違いました。農林水産省の資料によれば、ドリップコーヒー150mLで約90mg、インスタントコーヒー1杯で約80mg(2026年7月25日確認)。カフェイン量という点では、両者にほとんど差がなかったのです。
差は10mg。緑茶100mL(約20mg)の半分ですから、誤差と言っていい範囲でしょう。少なくともカフェインとの付き合い方という観点では、どちらを選んでも変わらない。選ぶ理由は、健康面ではなく別のところにあるということになります。
4. 私がドリップを選んだ理由——きっかけは、まさかの買い間違い

では私がなぜドリップを選んでいるかというと、正直に書くと買い間違いがきっかけです。インスタントのつもりで、ドリップ用のコーヒーを買ってしまいました。そのままでは飲めないので、簡易的なフィルターとドリッパーを買い足した——というのが始まりです。健康のためでも、コーヒーにこだわりたかったからでもありません。
ところが、しばらく飲んでいるうちに気づいたのが香りでした。淹れている最中から部屋に広がる香りは、インスタントでは代えがたいものがある。買い間違いから始まった習慣が、そのまま自宅の定番として続いています。
一方で、失ったものもはっきりしています。
- 手軽さ:少しずつお湯を注いで抽出する時間が必要で、思い立ってすぐには飲めない
- アイスの作りづらさ:夏場に冷たいコーヒーを用意するのが、インスタントより手間になる
ただ、比べる相手を変えると見え方も変わります。淹れたての香りを楽しみたいなら、コンビニやコーヒーショップという選択肢もあるわけですが、そちらは店まで足を運ぶ必要があり、1杯あたりの値段も上がります。家にいるなら、店に行かずに、安く、淹れたての香りを楽しめる——インスタントより手間はかかるものの、そこがドリップの立ち位置だと思っています。
それに思い込みが外れたことは、むしろ収穫でした。カフェイン量に差がないとわかった以上、「ドリップのほうが本格的だから」といった漠然としたイメージで語らずに済むからです。香りが好きだから淹れている——それが正直な理由であり、それで十分だと思っています。
なお、今後もっとハマるようであれば、コーヒーメーカーなどの備品にもこだわってみたいと考えています。ただしそれは新しい支出になるので、ラテマネーの記事で書いた基準——満足度に見合うか、決めた予算の枠に収まるか——で判断するつもりです。
5. まとめ:知ってから選ぶと、我慢しなくて済む
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 「カフェインレス」「デカフェ」の表示基準はカフェインを90%以上除去したもの。ゼロではなく、1杯9mg程度は残る計算になる
- 「ノンカフェイン」は麦茶やルイボスティーのように、原料の段階でカフェインを含まないもの。デカフェとは別概念
- ただし9mgは1日の目安400mgの2%強。夜にコーヒーの味を楽しみたいなら実用上は十分な選択肢
- インスタントとドリップのカフェイン量はほぼ同じ(約80mg対約90mg)。選ぶ理由は香りや手間であって、健康面ではない
カフェインについて調べる前は、遅い時間のコーヒーは「飲むか、我慢するか」の二択だと思っていました。ですが量という物差しを持つと、デカフェにする、私のように炭酸水に切り替える、そもそも量の少ないものを選ぶ——といった選択肢があるとわかります。
知識は、我慢を増やすためではなく、選択肢を増やすために使うほうがいい。コーヒーについて調べてみて、そんなことを考えました。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
カフェインの1日の目安量と、「就寝何時間前まで飲んでいいか」という話は「コーヒーは何時まで?40代が決めたカフェインとの付き合い方」に書いています。
【免責事項】
本記事で紹介している内容は、筆者個人の経験および公的機関・業界団体が公表する一般的な情報をもとにしたものです。カフェインへの感受性には個人差があり、記載の目安がすべての方に当てはまるものではありません。疾患をお持ちの方・服薬中の方・妊娠中・授乳中の方は、カフェイン摂取について必ず医師または薬剤師にご相談ください。本記事の内容を実践したことによるいかなる結果についても、筆者は責任を負いかねます。
【出典】
- 全日本コーヒー公正取引協議会「レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーの表示に関する公正競争規約」施行規則(2026年7月25日確認)
- 農林水産省「カフェインの過剰摂取について」(令和6年5月29日更新、2026年7月25日確認)
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